前々回、前回の記事で、将来もらえる年金額と、そこから税金や社会保険料などを差し引いた「実際の手取り額」をシミュレーションしてきました。
今回は、その年金額にNISAの取り崩しを加えた場合、老後にひと月いくらのお金を使えるようになるのかをシミュレーションしてみたいと思います。
国が資産形成を支援する制度であるNISA。
毎月コツコツ積み立てていったNISAが、老後の生活にどのくらい役立つのか。
今回は、自分自身のケースでその実力を検証してみたいと思います。
まずは前回のおさらい
前回の記事では、現在の年金加入状況などをもとに、将来受け取れる年金額をシミュレーションしました。
その結果は、
将来の年金額
- 月額:113,944円
- 年額:1,367,328円
そして、ここから税金や社会保険料などを差し引いた「実際の手取り額」は、
年金の手取り額
- 月額:108,244円
- 年額:1,298,928円
という結果になりました。
もちろん、これは令和8年(2026年)8月時点の計算方法をもとにしたシミュレーションです。
実際に65歳になったときの年金額や税金、社会保険料などが同じになるとは限りません。
あくまで「現在の条件で計算するとこうなる」という目安として考えています。
老後資金としてNISAをどう使う?
では、ここにNISAを加えてみます。
現在、私が毎月NISAで積み立てている金額は、
- オルカン:月5万円
- S&P500:月2万円
- 合計:月7万円
です。
2026年8月11日時点でのNISAの評価額は936,885円でした。
このまま65歳まで月7万円の積み立てを続け、年5%で運用できたと仮定すると、65歳時点のNISA資産は約2,100万円になるという試算になりました。
もちろん、実際の運用では毎年5%で一定に増えるわけではありません。
株価が上がる年もあれば、大きく下がる年もあります。
そのため、これはあくまで「もし年5%程度で運用できたら」というシミュレーションです。
では、この約2,100万円を老後にどう使うのか。
NISAは「絶対に売ってはいけない資産」ではありません。
老後になったら、必要な分だけ少しずつ取り崩して、生活費の足しにするという使い方もできます。
NISAを月3万円、5万円、7万円取り崩したら?
65歳時点で約2,100万円のNISA資産ができたと仮定して、毎月どのくらい取り崩せるのかを考えてみます。
まずは、運用益を一切考えない単純計算です。
| 毎月の取り崩し額 | 年間の取り崩し額 | 約2,100万円が持つ期間 |
|---|---|---|
| 3万円 | 36万円 | 約58年 |
| 5万円 | 60万円 | 約35年 |
| 7万円 | 84万円 | 約25年 |
こうして見ると、かなり長い期間使えることが分かります。
特に月5万円の取り崩しなら、運用益をまったく考えなくても約35年間。
65歳から取り崩しを始めたとしても、単純計算では約100歳まで使えることになります。
もちろん、実際には物価上昇や市場の変動などもありますので、これだけで安心とは言えません。
それでも、老後の生活を支える資金としては、かなり大きな力になりそうです。
年金+NISA=毎月使えるお金はいくら?
では、実際に年金とNISAを組み合わせてみます。
前回計算した年金の手取り額は月108,244円でした。
ここにNISAの取り崩しを加えると、
| NISAの取り崩し | 年金手取り | NISA取り崩し | 毎月使えるお金 |
|---|---|---|---|
| なし | 108,244円 | 0円 | 108,244円 |
| 月3万円 | 108,244円 | 30,000円 | 138,244円 |
| 月5万円 | 108,244円 | 50,000円 | 158,244円 |
| 月7万円 | 108,244円 | 70,000円 | 178,244円 |
となります。
現在の生活費を月11万円と考えた場合、
年金だけの場合
108,244円-110,000円
=-1,756円
わずかですが、毎月赤字です。
NISAを月3万円取り崩した場合
138,244円-110,000円
=+28,244円
毎月約2.8万円の余裕ができます。
NISAを月5万円取り崩した場合
158,244円-110,000円
=+48,244円
毎月約4.8万円の余裕。
年間では、
48,244円×12か月
=578,928円
となり、年間約58万円の余裕ができます。
NISAを月7万円取り崩した場合
178,244円-110,000円
=+68,244円
毎月約6.8万円の余裕です。
こうして数字にしてみると、NISAを老後資金として活用する意味がかなり見えてきます。
NISAを取り崩しながら、資産はどのくらい残る?
ここでもう一つ気になることがあります。
「毎月5万円ずつ取り崩したら、NISAはどんどん減っていくんじゃないの?」
当然そう思います。
そこで、65歳時点で約2,100万円のNISA資産があり、そこから毎月5万円を取り崩しながら、残った資産を年3%で運用できたと仮定してシミュレーションしてみます。
すると、概算ではこのようになります。
| 年齢 | NISA残高の目安 |
|---|---|
| 65歳 | 約2,100万円 |
| 70歳 | 約2,113万円 |
| 75歳 | 約2,130万円 |
| 80歳 | 約2,149万円 |
| 85歳 | 約2,173万円 |
| 90歳 | 約2,200万円 |
なんと、毎月5万円を取り崩しているのに、資産が大きく減っていません。
むしろ、このシミュレーションでは90歳時点でも約2,200万円残っています。
これは、取り崩している一方で、残った資産が年3%で運用されているためです。
ただし、ここはかなり重要なポイントです。
実際の投資では、毎年きれいに3%で増えるわけではありません。
大きな暴落が起きることもありますし、取り崩しを始めた直後に株価が大きく下落する可能性もあります。
そのため、実際の資産残高はこのシミュレーションより大きく減る可能性もあります。
あくまで「一定の利回りで運用できた場合の試算」として見ておきたいと思います。
50歳のおっさん、老後生活を考えるw
今回のシミュレーションをやってみて、まず思ったのは、
やはり年金だけでは少し不安が残る。
ということです。
私の場合、年金の手取りは月108,244円。
現在の生活費を月11万円とすると、年金だけでは少し足りません。
しかし、そこにNISAを月5万円取り崩すと、
108,244円+50,000円=158,244円
毎月約15.8万円のお金を使えることになります。
生活費を11万円と考えれば、毎月約4.8万円の余裕。
さらに、65歳時点で約2,100万円のNISA資産があると仮定すれば、運用益をまったく考えなくても、月5万円の取り崩しで約35年間。
単純計算では約100歳まで使えることになります。
もちろん、これはすべてシミュレーションです。
65歳までに本当に約2,100万円になるのか。
年5%の運用ができるのか。
老後に年3%で運用しながら取り崩せるのか。
実際の未来は誰にも分かりません。
まさに、
「取らぬ狸の皮算用」
ですw
それでも、今回こうして数字にしてみたことで、NISAを老後資金として活用するイメージはかなり具体的になりました。
NISAは、ただ「老後まで絶対に使わずに残しておくお金」ではありません。
現役時代にコツコツ積み立てて、老後になったら必要な分を少しずつ取り崩しながら、生活を支える。
そんな使い方もできるわけです。
もちろん、老後のために今を犠牲にしてまで投資をする必要はないと思います。
今しかできないこともあります。
遊ぶことも、旅行することも、美味しいものを食べることも、人生には必要です。
ただ、今の楽しみのために使ったそのお金を、未来の自分は後悔しないだろうか。
そんなことを、ときどき考えてみるのも悪くないのかもしれません。
今日の自分が、未来の自分を少し助けてあげる。
そのための手段の一つが、NISAなのだと思います。
毎月数千円でも、1万円でも、無理のない範囲で積み立てていく。
それだけでも、何十年後には大きな違いになる可能性があります。
特に、私と同じように就職氷河期という厳しい時代を生きてきた同年代の仲間たちが、一人でも多く、
「まあ、なんとかなるさ」
と思えるような老後を迎えられたらいいなと思います。
そのためにも、これからも無理のない範囲で資産形成を続けていきたいと思います。
今回の妄想トレーズ閣下のひとこと
「経済力というものは、個人にとっても国家にとっても重要なものだ。
個人は、お金がなければ生きてゆくことができぬ。
そして国家もまた、お金が無くなれば、やがて破綻し、潰えてゆくだけだろう。
ならば、稼げるときに稼ぎ、稼いだものを将来のために投資する。
それは決して、今を楽しむことを否定しているわけではない。
今現在を楽しんで生きていきたいという気持ちは、私にも理解できる。
遊ぶなと言っているのではない。
人生には楽しみが必要だ。
だが、ひとつだけ考えてみてほしい。
今の楽しみのために使ったそのお金を、未来の自分は後悔しないだろうか?
若いうちにしかできないことがあるように、老後にしかできない楽しみもある。
今を楽しみながら、未来の自分も楽しめるように備えておく。
それもまた、人生を豊かにするための投資ではないだろうか。
『備えあれば憂いなし』という言葉がある。
未来の不安を完全になくすことはできない。
しかし、少しずつでも備えておけば、その不安を小さくすることはできる。
今日の自分が、未来の自分を助ける。
それもまた、経済力というものなのだろう。」
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